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自作のショートショート小説やライトノベルを載せていきます。
2018年11月21日 (水) | 編集 |
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのクリスマス
 今年はUSJのクリスマス企画「天使のくれた奇跡」がラストとなるそうなので観てきました。
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ゲート付近は照明色を抑えてあったのですが・・・
入るといきなり世界一の規模を誇ると言われるクリスマスツリーが見えてきます。

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 これなんですけどね。イルミネーションが赤や青に変色してとても綺麗で見入ってしまいます。
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「天使のくれた奇跡」のステージは入って直進突き当り手前左側のターミネーター劇場の並びにあります。これは平日のステージが終わった後の写真もなります。(この後パレードがあるので、お客さんはまだ座っています)
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ステージはこんな感じなんですが、ここは無料席なのでかなり後ろです。渡辺兼さん風に言うと「ステージが小さすぎて見えなーい!」と叫びたくなります。
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横を見れば、スパイダーマンの建物の前もいっぱいです。もし無料席で観る場合は1時間くらい前から少しでも良い場所を確保しておいた方が良さそうです。
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 ともあれ、こんなふうに景色が変わったり、

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こんなふうに輝いたりして綺麗でした。しかもステージの最後には花火がバンバン上がります。
無題
 ちなみに上の写真はUSJがホームページで紹介している参考写真。
有料の席で観るとこんなにも綺麗なそうなので、余裕のある方はぜひ有料席で観ることをお勧めします。料金は入場料プラス1300円(税込み)、プレミア席は3300円(税込み)だそうです。


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なお、USJでは、この場所に限らず色々なエリアでもクリスマスイベントをやっています。(写真はハリーポッターエリア)みなさんもぜひ、このシーズンにUSJに言ってみて下さい。

 この動画は期間限定公開だそうです。

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2018年07月21日 (土) | 編集 |
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに入り浸り(後編)

 さて前回に引き続き、今回は後編となります。
まずはミニオンパークから。
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 この一画は全てがミニオンっぽいハチャメチャ感が漂っていまして、建物の壁面もこんな感じになっています。
 ここにはライドが2つ。ひとつはできた当時は3時間待ちといわれた「ミニオン・ハチャメチャ・ライド」
ミニヨン・ハチャメチャライド
 これはいわば、今は無い「バックトゥーザフューチャー」の進化系ライドとなっていまして、設定としてはミニオンになりたいゲストが怪盗グルーによってミニオンにされ数々の試練を受けるというもの。とても楽しいライドです。

ミニヨン・ハチャメチャアイス
 もうひとつは「ミニオンのハチャメチャアイス」。これはミニヨンが池を凍らせてしまったという設定で、雪上車(?)に乗ってくるくる周ります。ぶつかりそうで、ぶつからない予測し辛い動きをします。

バックドラフト
 ミニオンパークからサンフランシスコエリアに入ると、開園当時から今も残る「バックドラフト」があります。久方ぶりに入ってみて、何故これが今もあるのかがよく分かりました。やはり火災の演出はものすごい迫力でした。

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  その先を行くと、これも開演当時からあるエリア。ジュラシックパークです。
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 大型のゴムボートに乗って、ジュラシックパークを観光しているうち、なんだか様子が変だなと気づくという設定。
 この写真を撮った日はまさに様子がおかしくボートが渋滞していました。しかし、こうした事も面白さのひとつかもしれません。

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 このジュラシックパークエリアで大人気なのが「フライングダイナソー」宙吊りになって乗る大迫力のジェットコースターです。
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 私が案内されたのは最後尾の八列目。ここなら怖くないかと思っていたんですが、実は最後尾はものすごいGがかかるので、最もキツイ場所だったようです。この場所に当たったら運命だと諦めて下さい。
ジュラシックパークのあるエリアを抜けると見えてくるのはでっかいサメのオブジェが見えます。
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 ここはアミティビレッジと言われるエリア。リニューアルされた「ウォーターワールド」と「ジョウズ」のアトラクションがあります。
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ジョウズは観光船に乗ってアミティビレッジを巡っていると、ただならぬ異変が起こっていることが分かり、眼の前に巨大なサメが現れるというアトラクション。ガイドが銃をぶっ放して、なかなかの迫力です。

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 そして、このアミティビレッジを抜けると現れるのが、ハリーポッターエリア。
巨石のオブジェを目印に森の道に入っていきます。

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 しばらく行くと門があり、この門の向こうにはボグワーツ特急があります。

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 雪(?)をかぶった街並み。

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 ボグワーツ城。ここにあるのが「ハリーポッターアンドザフォービトンジャーニー」。ハリーポッターの世界を飛びながら体験できる楽しいライドです。
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 森の中を走る「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」。ハリーポッターエリアにあります。
 この「フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ」はジェットコースターの苦手な人でも乗れる楽しいライドですが、USJには先程紹介しました「フライングダイナソー」や「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」という本格的なジェットコースターもあります。

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「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」。このジェットコースターには後ろ向きに走るバックドロップというタイプもあります。

 USJには小さい子供も楽しめるユニバーサルワンダーランドというのもあります。
フライング・スヌーピー
 このエリアにはスヌーピーだけでなく、サンリオの人気キャラクター、キティちゃんもいます。
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 関西にお越しの際にはUSJにも行ってみて下さい。

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2018年07月21日 (土) | 編集 |
 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに入り浸り

 東のディズニーランドと並ぶ西のユニバーサルスタジオジャパンは日本を代表する(?)テーマパーク。このUSJの特徴はアメリカにある系列の映画会社作品だけでなく、日本の人気コンテンツも取り入れていること。そのためエヴァンゲリオンやワンピースをテーマにしたアトラクションやキティちゃんのようなキャラもパーク内を歩いています。

 医師からメタボ解消のため、もっと歩くように勧められた私は思い切ってUSJの年間パスを購入! 勤め先から環状線でわずか30分という距離にあるため、このところ週に3日程度通っています。最近はあまり新作小説も書けないので今日は、USJの案内でもしてみようかと考えました。


ユニバーサルスタジオジャパン・ゲート
 ユニバーサルスタジオジャパン・ゲート
上の写真は、その名も『ユニバーサルスタジオジャパン駅』から徒歩3分の場所にあるゲート。当日券はここで買えます。1日券は大人税込¥7,900、子供税込¥5,400だそうです。ちなみに年間パスは税込み¥23,800ということで何度も行ける場合はかなりお得です。

ゲート前広場
     ゲート前広場

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 入場口ではこのような地図も入った『スタジオガイド』が無料でもらえますので、忘れずにもらいましょう。この地図によれば左下から入場することになります。

入ってすぐの大通り
     入口付近の大通り

 歩くとまず見えてくるのは4D劇場。通常はシュレックがやってるんですが、クールジャパンイベントのセーラームーンがロングラン公演をしています。

セーラームーン4D
     セーラームーン4D

 その次にあるのは、やはりクールジャパンイベントのエヴァンゲリオンXRライド。ここは6月まではファイナル・ファンタジー・ザ・ライドになっていましたが、元々はスペース・ファンタジー・ザ・ライドの施設です。

エヴァンライド
 内容は室内ジェットコースターをヘッドマウントディスプレイで映像を観ながら冒険するというもので、かなりの迫力があります。期間限定のものではこれが一番のオススメです。

 この施設を越えると大きな建物が見えてきますが、これはターミネーター劇場をやっているサイバーダイン社と書かれた施設です。

ターミネーター劇場
     ターミネーター劇場
 このターミネーター劇場は常設ですが、中ではオートバイが走り回りサイバーダイン社のロボットが動き、4D映画ありと、かなり楽しめます。ここも外せないアトラクションです。

ミニヨン・ハチャメチャ・サプライズ
 突き当りには野外ステージがあり、なんだろうと思っているとミニヨンのハチャメチャサプライズというのが始まりました。うっかり観てると水鉄砲で水をかけられおかしな銃で雪をかけられますのでカメラ等を持っている人は注意して下さい。

 で、そこを逃げ出して右に歩くと見えてくるのはアメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド。

スパイダーマン・ザ・ライド
 これはハリーポッターのアトラクションと並ぶUSJを代表するライドで、内容は悪党だらけのものすごく危険な町を特殊な車で巡ってスパイダーマンの活躍を見るというようなものなのですが、この車には一度に12人も乗れるため、それ程待たなくても乗ることができます。何をおいてもこのライドには乗ってみて下さい。

 次回に続きます。
2018年06月19日 (火) | 編集 |
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  写真は記事とは関係のない、(かってに入ってきた外猫のハチワレ君です。

  【 方技官(改)・削魂谷 】 
 

 【 削魂谷 】

   我々、封魔方とは犬猿の仲である陰陽寮にあって、
一人擦り寄って来るのが次席方技官・土御門希沙良(つちみかどきさら)だ。

 もっとも、この男が我々の詰所(事務室)にやってくる場合は殆ど、やっかいな問題を押しつけに来る時といえた。

「八柱さん、また現れましたよ。疫病神が」十朱補佐官が私に耳打ちした。

「聞こえましたよ。十朱君」

資料を抱えた希沙良がこちらを見てニッコリ微笑んだ。

「くわばらくわばら」長身の十朱が首をすくめて別室に退避していった。

「で、どんな用だ? まさか菓子折りを届けに来たわけでもあるまい」

「八柱方技官がご希望とあればデパートから届けさせますよ。しかし、今日は重大な案件が発生したことを報告に参った次第」

「と、いうとウチへの依頼ではないんだな」

「この件は当方で処理せよということでしたから」

「聞こう」

 俺は来客用のテーブルに案内し見習いの女性職員に茶を頼んだ。

「実は削魂谷の封印が解かれました」

 希沙良がポツンと言った。

「何!? 誰がそんなことをした」

 俺は思わず気色ばんでしまった。それ程、これは大変なことだったのだ。

「我々ですよ。詳しく言えば陰陽寮統括の賀茂方技官です。上からの命令でしたので」

 平静を装ってはいるが、希沙良のカップを持つ手が震えていた。

「あれがどんなものかは陰陽寮は元より、政府も分かっているはず。それなのに賀茂さんは、あえて封印を解いたのか」

「命令でしたので」

「賀茂昇華(かものしょうか)、あのバカ女! いくら副長官の命令でもやっていい事と悪いことと……」

「とにかくご報告まで」

 そう言って希沙良は資料を置き、逃げるように帰っていった。

「八柱さん、やつの言っていた削魂谷とは何です?」 

希沙良が出て行くのを見届けて部屋に戻ってきた十朱が開口一番尋ねた。

「以前訪ねた庵本寺とは比較にならない程強力なパワースポットだよ」

「それが問題なんですか」

「扱い方によっては国家が揺らぐ。そういう場所だ。事後報告とはいえ、昇華が希沙良を寄こしたということは彼女なりに心配しているんだろう。とにかく現地に飛ぶぞ」


 俺達は市ヶ谷駐屯地から自衛隊のチヌーク(タンデムローター式ヘリコプター)で飛び立ち、すぐに現地に向かった。

 削魂谷は紀州山中を縦断する熊野古道から脇に逸れ、裏古道沿いに半日ほど歩いた場所にある谷で、ヘリコプターでも使わない限り、人間が容易に分け入ることはできない。

 物部文書の残された断片を元に調べると削魂谷は、邪馬台国以前、吉野三族が聖地として信仰の対象にしてきたが、あまりにも危険な為に、卑弥呼が禁則地と定め、後の大和朝廷でもそれが受け継がれたという。

「で、いったい何が危険なんですか?」

 十朱がヘリコプターの爆音に負けない大声で聞いてきた。

 彼もまた封魔方の補佐官である以上、教えないわけにはいかない。

 俺は対面に座る十朱を隣に来させ、他には聞こえないようにして、「安易に望みが叶う場所なんだ」と教えた。

「えっと……、すばらしいことなのでは?」

 十朱には、それが何故危険なのか、訳がわからないようだった。

「人は誰でも生存競争をしている。目標とした夢を叶えるには人一倍努力しなければならない。だからこそ、成功した人は尊敬されるし、逆に努力もせず怠けて落ちぶれた人は嘲りの対象となる。これが日本のみならず、世界中で教えられている道徳だ」

「それはそうですね」

「しかし実際にはそう単純なものじゃない。無論努力は必要だが、同じだけ努力しても誰もが同じ成果を得られるわけじゃないし、そもそも何かを目指して努力できる環境にある者と無い者がいる。人生というゲームには難易度が存在するんだよ」


 ハーバード大学のマイケル・サンデル教授も語るように、裕福な家の長男に生まれた者と貧しい家の末弟に生まれた者では受ける教育の質に差がある。あるいは義務教育が確実に受けられる、先進国に生まれた女性と、女子教育は悪だと考える国で生まれた女性では人生を切り開く力が、まったく異なるのだ。

 勿論、貧困の中から成功を勝ち得た者もいる。それは確かに努力した結果といえるだろうが、自身の手に負えないような邪魔は入らなかったという事でもある。例えば命ある物は道端のペンペン草でさえ生きる為の努力をするが、引き抜かれてしまえばそこで終わる。困難な中から成功した人もよく分析すれば、人生における数多くの分岐点で、不思議と助けが入った事で目的を達成した事に気付くだろう。

「つまり削魂谷というのは、人生の難易度を下げる能力があるんですね」

「単純に言えばそうだ」

 十朱が理解したように何度も頷いた。


 紀州は木の国とも呼ばれている。山深い渓谷に添う熊野・裏古道はブナ林に覆われ空からは見えなかったが、森の中に、100m四方の切り開かれた空間があった。通常のヘリポートよりかなり大きいが、全長30mのチヌークが離着陸できるように設計されているのだろう。そのヘリポートから一つ尾根を超えた削魂谷に続く山道は、既に舗装され、対向二車線のアスファルト道路になっている。

 その風景を俺は苦々しく見つめた。

 ヘリコプターの中で、削魂谷の基本的な特徴は説明したが、十朱はおそらく誤解していると思われるので、俺は送迎車に乗り込むと同時に説明を再開した。

「要するに、削魂谷に行けば願いが安易に叶う。知者であれば名を成し指導者となる。商人であれば大成功し大金を得る。戦士であれば武勲を挙げ、将となる。そういう力を訪問者に与える場所とも言える」

「すると削魂谷には、すごい神様がおられるんですね。その人のレベルを上げて強くする。だからこそ削魂谷が奪い合いの対象となり、卑弥呼が禁則地にしたと……」

 やはり十朱は本質を理解していなかった。

「いや、逆だ! 削魂谷に神はいない。そこにあるのは『虚(うつ)ろ』だけなんだ」

「へっ?」

「削魂谷は人が輪廻によって得た、隠された経験値を掃除機のように吸い取り、初心者に戻してしまう。すると、その瞬間に人生がやたら楽なものになる。初心者用のゲームは難しくないだろう?」

「あっ! 確かにRPGのド◯クエでも、レベルの低い者には、二、三発で倒れるスライム程度しか現れませんね。つまり人生が全く簡単なクソゲーになるという事ですか」

「生まれた家は裕福で、たいした努力をせずとも成績優秀。やたら人に引き立てられて出世する。そのうち自分は誰より努力した偉い人間だと考えて、他人に浅い説教を垂れ流す傲慢な輩になる。そうした実際は低レベルなのに野心を簡単に叶える人間が増えると、社会が混乱する。だから卑弥呼は削魂谷を禁則地とし、徳川も御三家の一つである紀州藩を置いて、他の大名がその力を使うのを防いだんだ」

 俺がそこまで説明を終えた時、車は削魂谷近くのパーキングエリアに到着した。

 そこは、つい先頃まで厳重に封印されていた禁則地とは思えないほど、大きく森が切り開かれ、売店や食堂が完成間近となっていた。また底が見えない程、深い亀裂である削魂谷を覆う形で立派な社殿が地元宮大工の手によって建てられていた。

「いつのまに……」

 俺はうなった。

「おや、これは封魔方の主席方技官殿。わざわざこのような場所までご苦労様です」

 その声に振り向くと陰陽頭・従五位の下陰陽寮統括の賀茂昇華が立っていた。

 1メートル60センチの俺より、背が低い彼女は顔立ちも若く20代前半に見えるが、実は36歳という落ち着いた年齢だ。気場を肌で感じる為という理由を付けているが、酒が入ると裸になるという露出狂(?)で、今も全身が透けて見える羽衣状の薄衣一枚という格好だ。

「よく寒くないな。ここの気温は10℃を下回るぞ」

 これから重大な詰問をしようというのに、俺の口から出た第一声がこれだった。

「ホホホ、さすがの八柱君も私の姿態に惹かれましたか? 明階位(神主の位)を持つ者は鍛え方が違いますので」

「ふん、それより何故だ?」

「秘密にしていたわけではありませんよ。周辺部から開発を進め、削魂谷本体の封印を解いたのは昨日ですから」

「そういう問題じゃない。どうして封印を解いたのかを聞いている」

「万策を尽くしても日本経済の成長率が伸びない為ですよ。政府は、有望な若い企業経営者をここに連れてきて幸運を授けようというのです」

 要するに、将来日本の産業を引っ張ってくれそうな人材に強運(?)を付けさせ、ひいては日本の経済を活気あるものにしてもらおうという戦略らしかった。

 卑弥呼や徳川の時代には天下を目指すものが多くいて内戦になると困るという事で封印したが、いまや日本は世界と経済戦をしているので国自体の底上げを計れると考えたのだろう。しかし、その犠牲になる若い企業人は……。

「それが何を意味するか分かっているだろうが。彼らのこれまでの輪廻転生が台無しになるんだぞ」

「いいじゃありませんか。誰もが菩薩を目指しているわけではありませんよ。人生を苦行で満たさず、何度生まれ変わっても初心者のフィールドで、面白おかしく生きればいいのです」

 そう言われると、そんな気もした。

 ただ、今でさえロクでもない低レベルの指導者が各界を牛耳り顰蹙(ひんしゅく)を買っているというのに、この先もっと酷くなるのでは? と、考えると頭が痛かった。

「少し不安は残りますが、老熟して動きの鈍かった日本も若々しい国に生まれ変わるかもしれません」

 遠い目で完成しつつある社殿を見つめる昇華の薄衣が風に吹かれ、お尻が見えた。

 いずれにせよ俺達にこのプロジェクトを止める権限は無い。黙って経緯を見続ける以外に無さそうだった。

 どうなることかと心配しつつ、その後の様子を見守っていると、社殿が完成するや、参拝客が続々と訪れるようになった。

 かなり偏狭の地なので、今の所たいしたことはないが、噂が噂を呼んで海外にまで最強のパワースポットと知られると、日本政府の思惑は外れるのではないだろうか。

「そうなれば世界の誰もが幸せになるかもしれませんね」

 十朱はのんきな事を言うが、その逆かもしれない。いずれにせよ誰もが簡単に成功してしまう世界はきっと、酷く退屈なものになるに違いない。



    
       (第四話・削魂谷 おわり)

   
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2018年06月12日 (火) | 編集 |
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写真は記事とは関係のないウチのもんちゃんです。

  【 方技官(改)・埋蔵金 】 
 

 【 埋蔵金 】

 ライバル関係にある組織に属する人間が揉み手をしながらやって来た時は、警戒を怠ってはいけない。それは十中八九、ありがたくない提案だからだ。

 特にこの陰陽寮の次席法技官・希沙良がにこやかに封魔方の庁舎に現れた場合は、やっかいな案件を押し付けようとしていると考えるべきだった。

「いやだなあ八柱方技官。まあ、そう警戒しないでくださいよ」

 希沙良は俺の対面に座り、十朱(とあけ)補佐官が出したお茶をフーフーと何度も吹いてから、うまそうに飲み干した。

「猫舌なんですね? これは意外だ」

 十朱補佐官がからかった。

 希沙良は十朱にからかわれて少しショックを受けていたようだが、すぐにいつもの食えない笑顔に戻り、およそこの部署にはふさわしくない話を始めた。

「実は八柱方技官に埋蔵金を探してもらいたいのです」

 現在は内閣官房庁に所属する陰陽寮と封魔方は平安時代から存在する秘密組織だ。警察や軍隊が人間を相手にした治安を担当するのに対し、我々は国内に跋扈(ばっこ)する魑魅魍魎(ちみもうりょう)を退治する。目には見えぬものが相手である為、予算が付きにくく、内閣官房機密費によって活動している。そんな組織の人間が呑気に埋蔵金探しなど、できようはずもなかった。

「何の冗談だ?」

 俺は希沙良が広げた古地図をチラ見しながらそう言った。

「いたって真面目な話ですよ。実は政府が国際公約した景気浮揚策が未だ効果を発揮しないのです」

 希沙良はわざとらしくため息をついて首を振った。

「例えば法人税はそれまでの実効税率37%を2016年に29.9%に引き下げましたが、これをさらに周辺国並みの25%、もしくはそれ以下に引き下げたくても代替財源がありません」

「それで埋蔵金探しを? バカバカしい。子供の発想じゃないか」

「と、八柱方技官が言っていたと、伊坂副長官にはお伝えしておきましょう」

「待て、埋蔵金探しは副長官の命令なのか? それを早く言え!」

 希沙良がクックと笑った。こいつに主導権を取られると一番腹が立つ。俺はチッと舌打ちをして話を続けさせた。

「八柱方技官がそう思われるのも当然です。埋蔵金探しなど本来我々の仕事ではないし、ロマンがあることは認めても単なる夢物語ですからね。しかし、そうバカな話でもないのです。政府と某大学の考古学埋蔵文化財研究所は極秘で調査を進め、すでにお宝が確実に眠っている場所を掴んでいるのです。ただ……」

「なるほど強力な怨霊が守っているというわけですか」

 そばで聞いていた十朱が口を挟んだ。

 要するに景気浮揚策の資金が無い政府が、怨霊が守る埋蔵金を強引に掘り出して、その費用に充てようというのだ。

「さすがは十朱君、話が早い」

 希沙良は十朱の手をとって自分の方に引き寄せた。俺は希沙良の手に手刀を食らわせ、この変態男を引き離した。

「話を続けてもらおうか」

「わかりました。これらのうち、現在の価値にして一兆円を下らないだろうというのは三箇所。一つは飛騨の国・帰雲城にあったとされる内ケ島氏理の埋没金。二つ目は源義経の埋蔵金。そして最後は邪馬台国に滅ぼされたという華羅那国の宝玉です」

「それだけ分かってるんなら、何故陰陽寮で引き受けない? 結界を張れば怨霊などに邪魔されないだろうに」

「一つ目と二つ目は、それ以前の問題なんですよ。帰雲城は天正地震によって山崩れにあい、掘り出すのに数千億かかると言われています。採算が取れるといっても予算が通りません」

「義経の埋蔵金は?」

「彼は平泉の衣川館(ころもがわのたち)で藤原泰衡の襲撃を受け、亡くなりましたが、不穏な動きはそれ以前に察知していたらしく軍資金を蝦夷の地に運ばせていました。それを埋めた地も分かっているのですが残念ながら、現在は掘り出せません」

「と、言うと?」

「樺太なんですよ。というわけで、最後に述べた羅那国の宝玉のみが頼みの綱ということになります」

「華羅那国なんて名称は聞いたこともありませんね」

 十朱補佐官が私に言った。

「勿論、教科書にも出てきたことはありません。今は写本すら残されていないとされる物部文書によれば『華羅那国は大陸との国交がなく、青銅の剣しか保持していなかったことで、鋼の剣で武装した邪馬台国に滅ぼされた』とあります。ただ鉄はなくとも金銀銅は豊富で、下級兵士でも銀の胸当てを身に付けていたとか」

「その国が宝玉を埋めたと……」

「物部文書の、今は失われた写本にそう記されていたようです。おそらくは捲土重来を望んでのことでしょうが。現在の価値にして十兆円は下らないと推測されます」

「そこに強力な怨霊がいるんですか?」

 十朱が質問した。

「陰陽道とは相性の悪い何かが潜んでいるようです。しかもこいつは二千年近く周りの樹木の生気を吸い取って来た為に、神と同格の力を宿しており、強力無比。ですが、八柱方技官が使われる破邪の剣であれば、なんとかなるやもしれません」

「場所は?」

「大崎市の……」

 希沙良が場所を話し始めた時、十朱補佐官が止めた。

「断りましょう! 希沙良さんの言っているのはおそらく阿樫野塚のことですよ。それが華羅那国に由来するものとは知りませんでしたが、大崎市の阿樫野塚は知る人ぞ知る聖域ですよ。うっかり荒らせば日本全体に呪いがかかるとも言われています」

「そういえば寛永の大飢饉は、江戸幕府を盤石にする目的で家光が阿樫野塚を荒らした為に起きたというウワサがあるな。あれか……」

「寛永の大飢饉の原因まで知っておられたとは、さすが、八柱方技官!」

 希沙良はポンと膝を打って褒めそやした。

「そんな危険な塚だということを副長官はご存知なのか?」

「首相も含めて」

「なるほど……」

「断れば陰陽寮と封魔方は共に廃止なのだそうです~」

 希沙良は十朱を抱き寄せて大げさに泣き真似をした。

「だとすれば受けざるを得ないな」

 俺は希沙良を強引に十朱から引き離しながら苦笑した。


 宮城県大崎市の中部に位置する阿樫野塚は、周辺を牧歌的な農園に囲まれた東京ドームほどの大きさの竹やぶで、春になると地元の人達が竹の子狩りを楽しんでいる。地元では竹の子山と呼ばれ、それが塚だと知っている者は、数人の長老だけだ。

 その中央付近に周りを高い塀で囲われた神主のいない小さな神社があって、そこだけは国の管轄となっていた。

 俺は怨霊タイプ識別及び呪強度調査の為、十朱と共に希沙良から預かった鍵で神社の中に入った。

「希沙良の情報によれば、祭壇の床下に阿樫野塚への入り口があるのだそうです。でもこれは言われるまでもないですね」

 十朱補佐官が冷たい汗を拭いながらそう言ったのも無理はない。

 境内に一歩踏み入れた途端に侵入者を威嚇する強い敵意が地下から絶え間なく湧き上がっていたのだ。

「極めてやっかいな相手のようだが、一つ面白い方策がある」

 俺はカモフラージュの為に借りてきた市清掃局の車に破邪刀などの武器をを仕舞い込むと、代わりに同化の効果がある御札を持ちだして、封を解いだ。

「陰陽五行の呪札だと邪馬台国の子孫だと思われ攻撃を受けるので、同化の札を使い、華羅那国の子孫と思わせるのさ」

 実はこの同化の札は陰陽五行を元に作成された制圧系技法を用いる陰陽寮には存在しない。

 同じ方技官でも封魔方は邪馬台国以前、吉野三族や蝦夷らが用いた土着信仰を元に技法が練り上げられている事から、友好的な気場を形成できるのだ。

「なるほど。阿樫野塚の怨霊は、二千年間華羅那国の子孫を待っていたわけですからね。でもバレると、よけいに怒らせませんか?」

 「その場合、責任は首相と官房副長官とにあると、いうことにしておこう」

 俺は十朱の肩をポンと叩いて元気づけると、社殿の床板を外して潜り込んだ。

 同化の札は確かに効いているようだった。

先程まで嵐のように我々を襲っていた怒気は嘘のように消え、それどころか親愛の情を表す気場があたりを覆っている。

「合言葉を求められたら終わりですね」

 十朱補佐官は俺が密かに恐れていることをサラリと言った。

「そんな展開にならないことを祈ろう」

 俺達は怨霊に察知されぬよう、できるだけ平穏を装い、江戸時代初期に家光が掘った坑道であろうと思われる通路を注意しながら一歩ずつ進んだ。

 所々に落盤の跡があって白骨死体が点在している点は二十一世紀の日本と思えない。

 それでも俺達を歓迎している気場が周辺に満たされていることで、恐怖感はなかった。

 それだけではない。家光の掘った坑道は第三層を降りると、まるで迷路のようになっており、マッピングでもしなければ迷う状態だったが、不思議と目的地に向かう正しい道が分かるのだ。

「八柱さん、次は右の道が正解だと思うのですが、どうですか?」

 十朱が、ヒカリゴケと呼ぶ目印のLEDティーを坑道の壁に刺しながらそう言った。

「同感だ。右の道を辿るべしという案内が脳内に表示されている」

 しばらく進むと、俺達の目の前で足元が崩れ、石組みの階段が出現した。

 その途端、二千年前に栄えたと思われる華羅那国の生活風景が、懐かしい記憶のように頭の中に浮かび上がった。

 王宮と思われる、巨大な木造の建造物の門前に大通りが伸び、その両脇に市が立って、麻衣を着た人々で賑わっている。

「これはすごい! 瞼を閉じれば、まるでタイムスリップして華羅那国内を歩いているようです」

「ああ、人々の話し声まで聞こえてきそうだな。だが、注意しろ。彼らは過去の人間で今は存在しない。そして俺達は地下迷宮にいるんだからな」

「分かっています。同化の法がそれ程すごいということですね。でももし敵対視されると……、怨霊達と並んでミイラになるんじゃないですかね」

 十朱補佐官が真顔で冗談を言った。

 深淵へと導く階段を注意深く降りて行くと投光機の前の視界が急に広がり鍾乳石に囲まれた伽藍のような大空間が現れた。

 そこに、まるで東大寺の大仏を思わせる巨大な何者かがあった。

 怒りで寛永の大飢饉までもたらしたという怨霊の正体は、身長五メートルを超える巨像だったのだ。

 しかもその姿とは……。

「こりゃあ、青森県の亀ケ岡から出た土偶にそっくりだ」

 十朱補佐官がうなったように、我々の目の前に出現した巨像は、宇宙人の土偶とも言われる亀ヶ岡の土偶と瓜二つだったのだ。

 そしてその足元には銀の宝箱が数百個も積まれていた。

 事前の怨霊調査だけのつもりだったのが、我々は宝を本当に見つけてしまったのだ。

「銀の箱だけでも相当な価値があるでしょうに、中身は金塊でしょうか。もしこれが十兆円なら我々一人に一億円くらいはボーナスが出てもおかしくないですよね」

 俺は有頂天になっている十朱に対し、

「民間ならそうかもしれないが我々は公務員だから、そんな報酬は出ないと思うよ」

 と釘を刺した。

 その上、よく見ると宝箱は銀ではなくて鈴でできており、すべての箱にぎっしり詰まっていた中身は当時の華羅那国の通貨と推定される、美しい宝貝だった。


「政府は十兆円の皮算用をしていたようですがね。少しアテが外れたようですよ」

 後日、希沙良が笑いながら顛末を報告してくれた。

 それによると、宝箱に使われていたキロ千百円の錫を除けば、宝貝は貝細工職人や土産物屋に払い下げても数千円にしかならない為、阿樫野塚は坑道を埋め戻して置いたという。

 やはり、埋蔵金は誰にも発見されず、ロマンであり続けたほうがいい。

 俺はそう思った。

    
       (第三話・埋蔵金 おわり)

   
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